本日の話題は貯蓄を増やす方法について。
家庭の収入と支出の関係を整理・理解して効率よく貯蓄を行えるようにしましょう。
損益計算書とは
みなさんは損益計算書ってご存知ですか?英語だとprofit and loss statement、ビジネス用語でP/Lと呼ばれているやつです。
一定期間における企業の活動を集計した表で下の画像のようなものなのですが、なんとなく見たことあると思います。
「うわー、なんか嫌だなあ」と思わないでくださいね。小難しい項目や数字が並んでいると数学に苦手意識ある人は拒否反応起こすケースがありますけど、内容はそれほど難しくありません。細かいことはいいんです。
要は「一定の期間で」「どれだけ収入があって」「どれだけ支払いがあって」「どれだけ利益が残ったか」という、企業の収支を見える化したものです。
すごく簡単に書くと以下の式になります。
収入 - 支出 = 利益
これだけです。少し式を変形すると
収入 = 支出 + 利益
と表すことができます。
図にすると上のようになります。左側の収入の高さと、右側の支出+利益の高さが一緒になる、ということです。
家計に当てはめて考えてみる
損益計算書の考えを家計に当てはめて考えてみましょう。収入、支出、利益の3つだけ考えれば大丈夫です。たった3つなので難しくないでしょう。
企業の活動においては利益を生みだすことに重きが置かれてることが多いですね。上場企業の場合など、利益を出して株主に還元することなどが求められますから。
家計の場合はどうでしょうか。将来に渡ってより良い暮らしをするためにも貯蓄を増やしたいところ。話を簡単にするために、家計でも利益(貯蓄)を増やすことを目的として考えてみましょう。
利益(貯蓄)を増やすにはどうすればいいか
計算式を思い出しましょう。「収入 - 支出 = 利益」ですね。
利益を増やすには「収入を上げる」または「支出を減らす」この2つが大事になります。ではこの2つをどのように修正していけば考えていきましょう。
収入を増やすにはどうすれば良いか
一般家庭における「収入」とは何でしょうか。主に一家の大黒柱・夫の稼ぎですね。共働きであれば妻の収入も加わります。他には、何らかの副業。投資による収入。大家としての家賃収入。宝くじの当選のような臨時収入など、色々なケースがあります。
収入を増やすためには、これらを組み合わせる、あるいは現在の手法による稼ぎをアップさせる(例えば夫が昇給する)という方法が考えられます。
支出を減らすにはどうすれば良いか
一般家庭における「支出」とはなんでしょうか。主に生活費(費用)ですね。家賃、食費、光熱費、交際費、旅費、教育費、おこづかいなど、色々なケースがあります。ローンの支払い、投資の損失、税金の支払いも含まれます。
一度上げてしまった生活水準を落とすことはなかなか難しいのですが、無駄な出費を抑える節約を行うことは貯蓄に直結します。
維持費やローンで頭を悩ませる自動車など、金額が大きなものからカットできないか検討すると良いですね。
収入と支出、さまざまな組み合わせを見てみよう
一定期間において記録を行い、前期と今期で比べてましょう。収入の増減・支出の増減によって今期の貯蓄が決まります。前期より貯蓄が増えていれば良し。
収入 | ![]() |
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支出 | ![]() |
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上記の表は前期と比べて収入が増えたケースです。頑張りましたね。支出の増減と組み合わせて考えてみましょう。
左:収入がアップ、支出もアップした場合
パッと見た感じでは利益・貯蓄が増えるような印象がありますが注意してください。収入の増加よりも支出の増加が大きい場合は、前期よりも貯蓄額は少なくなります。
また、支出が大きく増えすぎて、支出>収入となった場合は赤字です。貯蓄ではなくマイナス。今までの貯蓄を切り崩してしまうことになります。
真ん中:収入がアップ、支出が変わらず
収入がアップした分だけ昨年度より貯蓄額がアップするということです。節約でやることが無い場合はここを目指しましょう。
真ん中:収入がアップ、支出が減少
収入アップ分 + 節約成功分だけ昨年度より貯蓄額がアップするということです。一番貯蓄が増えるケースですね。
収入 | ![]() |
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支出 | ![]() |
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上記の表は前期と比べて収入が変わらないケースです。支出の増減と合わせて考えてみましょう。
左:収入が変わらず、支出がアップした場合
昨年度より貯蓄が減少。支出>収入となった場合は赤字です。
真ん中:収入が変わらず、支出が変わらず
現状維持のケースですね。収入アップか節約するか、頑張りどころです。やれるだけ節約してカツカツだよ!という場合は収入増を目指したいところ。
右:収入がアップ、支出が減少
収入は上がりませんでしたが、節約に成功することで昨年度より貯蓄額が上がりました。
収入 | ![]() |
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支出 | ![]() |
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上記の表は前期より収入が下がるケースです。会社の業績不振による減給、あるいは退職、転職などによる無職期間などが考えられます。
左:収入が下がり、支出がアップした場合
かなり危険なケースです。赤字のケースが更に拡大することになると、お金を貯めるどころか借りることになってしまいます。収入増・支出減でなんとかバランスを取りたいところ。
真ん中:収入が下がり、支出が変わらず
収入が下がった分だけ本年度の貯蓄額が昨年を下回ります。支出>収入の場合は赤字でピンチになるので要注意です。
右:収入が下がるが、支出も下がる
収入が下がってもそれ以上に支出が下がれば昨年度同様の貯蓄はキープできます。支出>収入の場合は赤字なので立て直しが必要です。
ここまで収入と支出の各パターンを見てきました。
売上(収入)・支出(費用)・利益(貯蓄)の関係性について理解できたと思います。大事なのはここからです。家計の記録から特定の数字を抜き出してその割合や伸びなどを考える、自分と似た世帯と比較する。これまでの傾向を読み取り、将来の予測に役立てる、といったことが重要ですね。企業でいうところの財務分析です。
具体的に自分の家庭における「収入には何があてはまるか」「支出には何があてはまるか」を考えて、増減の目標設定・計画・実行が必要になります。
一寸先は闇。何が起きる変わらない、先の見えない人生です。不安を除くためにも、少しでもお金を貯めておきたいですよね。
しかし貯蓄を優先するあまり、旦那さんのおこづかい月1000円にしたらどうでしょうか。そもそもの働く気力を無くしてしまいます。無理な節約は考え物です。
一時的に費用をかけて資格取得を目指し、翌年に転職して収入アップする。というような投資的な考え方も重要です。子供の教育費用などは将来の子供たちの収入の礎になります。
要注意ポイント!何のために貯蓄を増やすのか
これだけ利益・貯蓄と言ってきましたが、私たちの人生において目指すゴールは貯蓄を増やすことなのでしょうか?
貯蓄のために収入を得るのではありません。家族が幸せに暮らすためです。しかし、収入が出なければ日常生活を継続できない。したがって、収入・貯蓄は目的では無く、継続した日常生活を行う条件となります。
だから、私たちは常に収入・貯蓄を意識しなければいけない。収入・貯蓄がなくなれば生活が難しくなるということを意識する必要があるのです。
収入が増えても、支出が減っても、そのために無理をして家族が(自分が)幸せになれないのであれば何かが間違っています。修正が必要です。目的は家族が幸せに暮らすことのですから。