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パスタ「カルボナーラ」のレシピなどで「パンチェッタ」という言葉を見たことがある人は多いのではないでしょうか。パンチェッタはイタリア語で塩漬けした豚バラ肉。日本ではあまりなじみがなく、スーパーマーケットでも見かけないので、ベーコンで代用することが多いですね。
パンチェッタは自宅で自作することが可能です。
本記事ではパンチェッタを自作する方法、パンチェッタの自作レシピについて情報をまとめました。
パンチェッタとベーコンの違いについて
そもそもパンチェッタとベーコンの違いは何でしょうか。
ベーコンもパンチェッタも豚バラ肉を塩漬けして熟成させる点では同じです。
ベーコンはその後で燻煙(くんえん)する過程が加わります。煙で燻す(いぶす)ことでベーコン独特の旨みと風味が生まれるのです。
塩漬けしたのがパンチェッタ。パンチェッタに燻製が加わるとベーコンです。
パンチェッタの価格は?
日本のスーパーマーケットであまり見かけないパンチェッタ。通販で買うと価格はいくらなのでしょうか。
パンチェッタを楽天市場で検索したところ、100gあたり500円くらいすることがわかりました。結構高いですね...
パンチェッタの自作レシピ
パンチェッタに必要な食材は以下になります。
- 豚バラブロック肉
- 塩…肉の重量に対して10%程度
- ハーブ…少量(自宅にある適当なものでOK)
食材はとてもシンプルですね。
パンチェッタの作り方 作業手順
基本的な作り方の流れですが、以下の手順になります。
- 豚バラ肉に塩をすりこむ
- 肉をラップに包み冷蔵庫で寝かせる
- 1日~2日経過すると肉からドリップ液が出るので捨てる。
- 肉の水分を拭きとりハーブをまぶす。
- キッチンペーパーなどで肉を包み冷蔵庫へ。毎日ペーパーを交換して十分に脱水・熟成させる
- 10日程度で取りだし水でパンチェッタを塩抜きして完成
冷蔵庫で長く寝かせる時の脱水用に「ピチットシート」があると便利です。
パンチェッタの手順 1. 豚バラ肉に塩をすりこむ
今回はお肉が安いスーパーマーケット「ロピア」で購入してきた豚バラブロック肉を使います。633gとなかなかの大きさ。
肉に塩が入りやすくなるようにフォークでつついて穴をあけていきます。
豚バラ肉ブロックに塩をすりこんでいきます。肉の重量に対して塩の量は10%程度。今回の肉は633gあるので塩の量も60g程度使います。結構な量になりますが、肉を塩で雑菌から守るという意味でもガッツリ擦り込みましょう。もちろん両手は石鹸できれいに洗ってから作業します。
パンチェッタの手順 2. 肉をラップで包み冷蔵庫で寝かせる
十分に塩を擦り込んだらサランラップに包み、冷蔵庫の中で1~2日程度寝かせましょう。塩の浸透圧で肉に含まれている液(ドリップ)が出ます。ある程度の深さがあるバットを使うと良いですね。
パンチェッタの手順 3. 1日~2日経過すると肉からドリップ液が出ているので捨てる。
ラップにくるんだパンチェッタですが、1日~2日経過するとピンク色のドリップ液が肉から出ているはずです。バットに溜まったドリップ液は捨てます(美しくないので画像は省略)。
ラップをとったら、肉に付いている水分をキッチンペーパーで良くふき取りましょう。
パンチェッタの手順 4. 肉の水分を拭きとり、ハーブをまぶす。
水分を拭きとったら、このタイミングで肉に適当なハーブを塗して香りづけします。今回はバジルとオレガノを使用しました。
パンチェッタの手順 5. キッチンペーパーなどで肉を包み冷蔵庫へ。毎日ペーパーを交換して十分に脱水させる
この後、再び冷蔵庫で1週間程度ほど肉を寝かせるのですが、私はこのタイミングから「ピチットシート」を利用しています。
キッチンペーパーでも代用可能ですが、この場合は水分が染み出るので毎日取り換えてあげる必要があります。
ピチットシートの価格はやや高めですが、毎日キッチンペーパーを取り変える手間を考えると圧倒的に楽です。ピチットシートは肉から出る水分をピチットシート内に閉じ込めてくれます。
肉をピチットシートで包んだら、輪ゴムなどでシートが外れないように固定して冷蔵庫で1週間~10日程度熟成させます。
ピチットシートを使わずにキッチンペーパーに包むと上の画像のようになるでしょう。キッチンペーパーの場合は肉にペーパーが貼り付くことが多いので、肉の外側部分はナイフで削ぎ落してから食べることをおすすめします。
パンチェッタの手順 6. 10日程度で完成。水で塩抜きする
冷蔵庫で熟成させて1週間程度経過したら取りだします。かなりの水分が抜けてピチットシートに吸収されているようです。肉の色もかなり濃くなっています。
肉の塩抜きの工程です。
まずは流水で肉をよく洗います。ハーブや塩をしっかりと流しましょう。
続いてボウルに貯めた水の中にパンチェッタを入れて塩抜きします。
この時、水道の水を出しっぱなしにする人が多いのですが、水道代が気になるので私は大きめの鍋(パスタパン)にたっぷりの水を入れ、半日程度パンチェッタを放置することで塩抜きします。
塩抜きが終わったらキッチンぺーパーで肉から水分を拭きとり、パンチェッタの完成です。
大量の塩を塗りこんでいるので塩味はかなり強め。調理の際は塩は不要ですね。
浸透圧で食材を脱水する「ピチットシート」について
ピチットシートは一夜干しから燻製まで幅広く使える食品用脱水シートです。
パンチェッタを作る工程でも、肉から余計な水分を脱水させ熟成させるために有効です。もちろんベーコン作りにも向いています。
ピチットシートの仕組みについて
「ピチットシート」は、2枚の特殊な食品用半透膜フィルムの間に、高濃度の食用糖類と糖粘多糖類(糊料)をはさんだ構造となっているシートです。
ピチットシートに食品が触れると、食品の水分や生臭み成分が浸透圧の作用でフィルム内部に吸収・閉じ込められます。目に見えないレベルの穴がフィルムに空いており、この穴から水分が吸収されます。
この時に吸収されるのは水分だけ。うま味成分はシートに空いた穴から吸収されること無く、食品に残るという仕組みです。
以上、パンチェッタの自作レシピ。豚バラブロック肉の脱水にピチットシートが便利...という話題でした。