料理レシピで良く出てくる「味醂(みりん)」。照りをつける、甘みがある、アルコールを含むといった断片的な知識はあるが、そもそも「みりん」について人に説明できない、良く理解していないという人は多いのではないでしょうか。
この記事では調味料「みりん」について解説します!
みりんの原材料、製法について
先に結論から述べるとみりんはお酒・混成酒の一種です(酒税の対象です)。
アルコールまたは焼酎に米麹と蒸したもち米を混合し、ゆっくり熟成させた後、圧搾、濾過してできる日本独自の酒調味料。アルコール分は約14%、糖分42%程度です。
江戸時代に清酒が誕生する前は高級酒として飲料されていた歴史があります。
本みりんは酒類販売免許のある店で買うことができます(逆に免許がないと売れない)。
ちなみに英語の表記は Mirin、あるいは sweet sake です。
みりんの成分
この製造過程において、もち米に含まれるデンプンが糖化されて甘みとなります。砂糖の甘みとは違ったまろやかな甘みです。米麹によるコハク酸やアミノ酸によってコク・味の深みも生まれます。
- 糖類
- アミノ酸
- 有機酸
- 香気成分
- アルコール
本みりん・みりん風調味料・みりんタイプの発酵(醸造)調味料の違い
スーパーに行くと、「本みりん」「みりん風調味料」「みりんタイプの発酵調味料」と複数のみりんが並んでいます。これらの違いについて理解しましょう。
本みりん
先に説明したように、アルコールを元に作られた酒税の対象となるみりんです。
みりん風調味料
みりん風調味料にアルコールは含まれていません。酒税の対象外。本みりんの風味に近づけるように水あめ・うま味調味料・その他の成分を加えたものです。アルコールを含まないので、臭み消しなどの効果は期待できません。
みりんに味が似ているけど別物の調味料です。
みりんタイプの発酵調味料
本みりん同様にアルコールを含みます。お酒として飲めないように塩分を加えることで、酒税の対象とはなりません。そのため酒類販売免許の無い店でも売ることができます。
本みりんと同じ効果が期待できますが、塩分を含む点に考慮が必要です(100mlあたり1.5g以上の塩分)。
みりんの効果
みりんを調味料として使う場合、以下の効果が期待できます。
甘み・うまみをつける
みりんの甘みは砂糖の甘みとは異なります。砂糖の甘さはショ糖によるものですが、みりんの甘みは発酵過程で生じるブドウ糖やオリゴ糖など多くの種類の糖による甘味になります。
アミノ酸・有機酸がうまみとなり、味に奥行きを与えます。
みりんが「奥行きのある、まろやかな甘み・うまみ」と表現されるのはこのためです。
照り・つやをつける
みりんに含まれる様々な糖やアミノ酸によって、照り・つやが生まれます。砂糖でも照り・つやは付きますが、みりんの方が綺麗な照り・つやになります。
煮くずれを防ぐ
みりんのアルコール成分には、タンパク質の凝固を促進する作用があるので魚の煮くずれを防ぐ効果があります。じゃがいものペクチンが過熱されても溶けにくくする効果もあるので、肉じゃがでも効果的です。
※みりん風調味料はアルコールを含まないので効果がありません
臭いを抑える
アルコールを煮切ると、アルコールだけでなく臭みも一緒に取り除かれる効果(共沸効果)があります。煮魚で使われる大きな理由の1つです。
※みりん風調味料はアルコールを含まないので効果がありません
味が浸透する助けとなる
アルコールには調味料・うまみを浸透させる・味の染みこみを良くする効果があります。他調味料と合わせて使うと効果が高いですね。
※みりん風調味料はアルコールを含まないので効果がありません
加熱によって良い匂いを出す
みりんに含まれる様々な糖・アミノ酸が過熱によって良い匂いを出します。
また、みりんの熟成過程で生まれる香気成分も香り付けに役立ちます、
以上、「みりん」とは何か 成分・効果・使い方を知って料理スキルを向上させよう...という話題でした。
ではまた (*´ω`)ノ