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『サザンと彗星の少女』レビュー 子供も楽しめる王道的SF漫画 映画化するべき大傑作!

映画スパイダーマン:スパイダーバースを堪能した帰り道に寄った大型書店。そこで平積みされていた漫画に一目惚れしてしまいました。

 

その漫画は『サザンと彗星の少女』

 

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個人的にSF漫画が好きなんですよね。上下巻 合わせて500ページで完結という手頃感もあり購入を即決。B6判型、1冊980円(税別)。

 

結論から述べると、とんでもない名作でした。

 

もっと世の中に知られるべき作品です。ぜひ知ってもらいたい。読んでもらいたい。昨年はSF漫画で「彼方のアストラ」が知名度を伸ばしたけれど、今年は「サザンと彗星の少女」が知名度を伸ばすはず!

強い願いを込めてレビュー記事を残します。

 

『サザンと彗星の少女』の紹介

本作品はトーチweb上にて2015年11月から2018年2月の丸2年に渡り連載されていた作品です。

なんと本作が作者 赤瀬 由里子さんのデビュー作とのこと。

80’sの世界観と豊かな色彩が特徴。web漫画だけどフルアナログ作画、オールカラー(水彩絵の具で着色)という手法が採用されています!この水彩が味があって良いですね。漫画で全ページフルカラーなんて久しぶりに見ましたよ。

単行本化自体は2018年4月とのこと。こんな良作を1年間も知らなかったなんて...

 

いきなり上下巻を買う前に、ちらっと絵柄やストーリーに触れてみたいですよね。公式サイトで1話から13話まで無料で読むことができますよ(全29話)。

サザンと彗星の少女 公式サイト

トーチweb サザンと彗星の少女

 作者 赤瀬 由里子さんTwitter

twitter.com

 

「サザンと彗星の少女」あらすじ

あらすじです。

宇宙へ出稼ぎに出ている地球の青年サザンは、ある夜、赤い髪の少女・ミーナと出会う。

彼女は体内に強大な力を秘めており、そのエネルギーを狙って腕自慢の盗賊たちが次々と襲ってくるという。

再会を約束した日、傷だらけで現れ、何も言わずに姿を消したミーナ。
彼女を追う中で「破滅を呼ぶ生命体」と呼ばれる種族の存在を知ったサザンは、
やがて謎の巨大船アグルダへと導かれていく。

無数のロボット兵を操り圧倒的な力を誇るアグルダの”陰謀と秘密”は、
サザンにとって、人類が築いてきた文明の矛盾を激しく突きつけるもので…… 

 

 「サザンと彗星の少女」感想・レビュー

ここから多少のネタバレ有りです。

サザンとミーナが出会う最初のシーン。バイクにまたがるミーナを見て、ダーティペアの赤毛のケイ、萩尾望都のスター・レッドなどを思い出してニヤニヤしてしまい、いきなり心をつかまれました。

どこか懐かしさ・親しみやすさを感じさせる絵柄です。「80’sの世界観」と言われる理由がわかる気がします。

 

ストーリーとしてはSFの王道。男女が出会い、苦難を乗り越えるボーイミーツガール。

彗星のコアにある有機物を生殖細胞に埋め込み誕生した人工生命体、ミーナ。その体が生み出す巨大なエネルギーのために「破壊を呼ぶ生命体」として人々からは忌み嫌われ、宇宙盗賊達からはエネルギー源として狙われる。孤独で追われ続ける不穏な日々。

偶然出会った地球人のサザンとミーナ。サザンはミーナに対して淡い恋心を抱く。彼女の力になりたい・助けたい一心で、敵対してた盗賊団と手を組んで、ミーナ救出に向かうという展開。

 

わかりやすく言うと話の筋は「天空の城ラピュタ」に近いですね。宮崎駿作品からの影響を強く受けている印象です。メカに強いが所詮はただの人間であるサザンがパズー、ピクニック盗賊団がドーラ一家といったポジションといったところでしょうか。

 

ピクニック盗賊団のリーダー(キッド)は、もっとキャラデザを格好良くできたにもかかわらず、あえてブタにするあたりは子供に対しても漫画の親しみやすさを出すためでしょうか。最初は違和感ありましたが後半に進むにつれて馴染んできました。ちょいダサのブタのデザインでよかった。

 

成長したAIがやがて感情を持ち、やがて人間と敵対するという流れがありましたが。AIというまさに今・そしてこれからというエッセンスが取り入れられている点もポイント高いです。彼方のアストラではクローン技術が話に出てきましたが、SF作品で現時点で未来に期待される技術が登場するとワクワクしますね。

 

ミーナ救出シーンが中継されて、視聴者が固唾をのんで見守る・応援する展開は読み手である私たちも感情移入しやすい流れで感心しました。今思うと「魔女の宅急便」と同じメソッドですね。

 

ラストも捻りがありましたし、読後感が爽やかなハッピーエンド。涙腺が緩みました。でもAIのことを思い出すと少し考えさせられる面もあり。非常に心に残る作品です。

 

上下感をパラパラ読めば通読するのに1時間かからないくらい。そこからまたストーリー上で気になったシーンを読み返す。水彩に着目して美しいシーンを探して読み返す。ミーナのかわいい笑顔を読み返す。何度でも楽しめる良作です。

 

この作品、90分~120分の映画化(アニメ化)するのにドンピシャなのではないでしょうか。いや、するべきだと思います。人気作はズルズルと連作を引きのばす傾向がある昨今で、上下巻でこれだけ綺麗に話をまとめるというのは逆に凄いことです。

 

このような良作が「マンガ大賞2019」にノミネートされたことをとても嬉しく思います。青田買い的な賞レースはうんざりですからね。

「このマンガがすごい!2019」ランキング結果に納得いかず調べたら青田買い的な要素が強いと知ってガッカリした話 - おうちクエスト

 

現時点での知名度は他のノミネート作品と比べると低いかもしれませんが、内容は決して負けていません。個人的には大賞をとれる作品だと思います。

知人から「サクッと読めそうな5巻くらいで完結するおすすめ漫画ある?」と聞かれたら「サザンと彗星の少女」を強くプッシュしますね!

 

 

 

 

以上、『サザンと彗星の少女』レビュー 子供も楽しめる王道的SF漫画 映画化するべき大傑作!...という話題でした。

ではまた (*´ω`)ノ